マルドゥック・スクランブル(3部作)

メイド・バイ・ウブカタ


世界観があまり濃くもなく薄くもなく。たとえれば出汁巻き卵のような感じ。
言葉の統一、思想の一致が気持ちいい。


バロットとウフコックの信頼し合う姿にしんみり。ドクターの調子いい役(隙間合わせのように自由に存在しうる役)が素敵です。



マルドゥック・ヴェロシティも期待。
彼の作品の読みやすさはいい。論理で存在を攻めてきているので、読み手に不信感を与えない。矛盾感も皆無でいい。それに比べて、小川一水の「天冥の標」は、煮詰め切れていないにソワソワしてしまって物語に集中できなかった。何の差だろう。あまり違いはないように思うのだけれども。登場人物の少なさも一つのキーかもしれない。


マルドゥック・スクランブル
冲方
2010(完全版のため)