フランス流SF入門の序文を読んで

”はっきりしていることは、このジャンルの題材(中略)が
数々の紋切り型思考をさらに悪化させる要素となっているということである。


つまり、SFはあまりにも単純化された文学ジャンルであり、
文学的価値がないという考えである。


残念ながら、アメリカの超大作映画は、
シナリオのレベルに明らかな欠陥があり、
このジャンルのあまり良くないイメージをさらに悪化させる結果を生んでいる。


こうして、この種の文学が、
一行も読んだことのない読者に嫌悪され、ひどく軽蔑され、
表現形式としては最も質の高い映画さえも、
劇場に足を運ぶことを拒否される事態にいたっているのである。”
(S.マンフレンド 『フランス流SF入門』 P.9 L.6)



上記は、今読んでいる本の序文からの抜粋です。
著者には”言いたいことを簡潔に言ってくれてありがとう”の気持ちでいっぱい!



宇宙人や未知のウイルスに侵された人類・・・
オカルトやメカメカしいロボット・・・
作品に異生物とアクションが詰め込まれているだけ・・・
そういうものがthe SFとしてとらえられていることが多い昨今だけど、
しかし、多くの有名なSF作品(特に文学文学)は
作品が作られた時代の世相を反映しているものがとても多いです。



でも、SF文学は中世以前の作品から
当時の宗教・社会・思想批判が主なテーマでした。
もちろん近代の作品でも世相を批判(または賛美)するものが多く出ています。



年々多くの作品が発表されるため、SF小説も玉石混合です。
最近の作品の傾向は、スペース・オペラの方が多いかも。



それでも、このジャンルは、
単なるオカルトや未来技術の崇拝ではなく、
現実社会を違う視点で見せてくれる
大人のためのファンタジーなんだと思っています。眠い。


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