ハーモニー

ザ・メイルストロム(大災禍)後の世界。
高度医療経済による”生府”が支配管理する世界。




タイムラインでは”虐殺器官”の後の世界ということになっている。




読んでて”ふわふわ”した世界だな〜って。
実感がわかないからっていうのもあるし、
螺旋監察官がピンクの軍服って(´ω`)ってのもあるし
地に足着いてない感じでした。
村上春樹っぽい雰囲気。違うか。

・・・まぁ感覚的感想ですけれど



社会的リソースとしての個人。
その中で個人の意思。


消えてしまう意思。
そして訪れる調和(ハーモニー)。


やさしい題だと思っていたけれども
からしたらとんでもない言葉だった。


合理性が保たれる世の中って、どんなんだろうな。
やはり人間が中心で良し悪しが決まるのだろうか。
なーんて考えたりして楽しんでいます。



でも面白かったね、設定が。
バグダッドの医療都市とかさ。
人体実験、規制のゆるさなど”えーそこもっともっと!気になる〜”という要素が沢山。
(”虐殺器官”でもそうだったな、最後のクジラとかイルカが人工肉だっけ?になるところとか)
これって予想外だな、と思いつつそういう成り行きもありうる感じ。
こういうのが妙なリアリティっていうのかな。



”大虐殺、核戦争がドカーンとあった後の世界はこうなりましたドーン☆”
みたいな流れが好みです。不可抗力の外的インパクトがあった後の人間は否応なく価値観が変わるし、今まで許容できなかったことも受け入れられたりするもの。その逆も然りだけれど。
今回のハーモニーの設定は、全世界的にWatchMeを体内に取り入れて自分の肉体を社会的リソースの一つとして認識しているからこその体調管理(精神的な部分も含めて)が行われていて。”某米国とかそうは簡単に受け入れないだろうよ”というちっぽけな考えも、そもそも”大災禍があったよ〜”というところでなるほどフムフムと読み進められたりね。もちろん、WatchMeなんかいれてないよ(^ω^)っていう政府(民族だっけ)もあるんだけど。




虐殺器官でも網膜スキャニングで個人の特定などが出来ていたけど、ハーモニー内でのWatchMeシステムは前者との目的が大きく違う。人間を管理するというところでは同じなのに、目的が違ってその背景が比較できるのは結構面白いなぁとか独り言言ってみたり。



意思がないのは雑念や失敗もなくて楽だと思うけれども、それじゃあんまりだよね。この本のいうハーモニーって、みんなが一つになる感覚に近い。エヴァンゲリオン劇場版(古いやつ)で最後みんなが液体になっちゃうところみたいに似てる。


あれは自分が心開ける相手が幻想で出てきて”ホッ”とした瞬間、液体になってしまう。けど、こっちは否応なく頭脳がそうしてるわけで。



はッ、子供はWatchMe取り付けないのに、
どうやって整合性つけるの。






http://booklog.jp/users/ayyya/archives/415031019X