リストランテ・パラディーゾ

『リストランテ・パラディーゾ』はオノ・ナツメさんの漫画デス。
パラディーゾのスペルはParadisoで、イタリア語で「天国」という意味。

この漫画はローマにあるレストランで働く人たちが登場。
カメリエーレ（給仕長）、ソムリエ、シェフ・・・気さくなおじ様紳士たちが切り盛りする老紳士レストラン。はー素敵・・・設定にクラクラと酔う。

主人公のニコレッタ（女）がどうして「私と似た心境に居るのかしら」と思いたくなるこのドキドキ感。この漫画、読んで泣けるストーリーじゃないのにガッツリ泣いたからね。汗

このお話、主人公ニコレッタとクラウディオという男性の給仕長の恋愛がベースで、人間模様とか家族模様が書かれている漫画でございます。

「好きなんだけど本気かわからない」というニコレッタのクラウディオに対する気持ち。多忙な仕事の関係でディボースしまった元妻を忘れらない老紳士クラウディオ。両者ともお互いの気持ちをわかりつつ、推し量りつつ、この距離感が読者としてはたまらない。しかし、当事者としては幸せと悲しみの中間距離かもね、うん。

「ルチアーノにも云われました『応える気持ちがないのなら、（ニコレッタに）優しくするのは逆に失礼だと』」

相手の気持ちが自分に向いていないとわかっていても、振り向かせたいと思うのが恋心というもの。

自分の気持ちに無理やり折り合いをつけようとはせず、ゆっくりでも曲がりなりにも向き合っていく主人公たちが、どこか他人事とは思えんのです。