死霊のはらわた(リメイク)

血の大量消費が良い


あらすじ
***
薬物依存症のミア(ジェーン・レヴィ)のリハビリのため、ミアの兄や友人たち男女5名は山奥の不気味な小屋を訪れ、そこで禁断の“死者の書”を発見。

彼らは「決して開けてはならない」という忠告を破り、邪悪な死霊を甦らせてしまう。


やがて姿なき死霊に憑依され豹変したミアは、うわ言のように恐ろしい言葉をはき続け、見るも無残な姿となって仲間たちに襲い掛かっていく。

閉ざされた山から出ることも助けを呼ぶこともできず、次々と死霊にとりつかれていく若者たち。

果たして彼らに生き残る術はあるのか……。

***

ミアの兄ちゃんが骨なさ過ぎて笑える。こういう男子いるよね、という。
サム・ライミ版のオリジナルでは主人公は男の子で、女子はスプラッターの味付け役だった。

今作は監督の意向で主人公は女の子。
呪いを解いてしまうのはギークな男子なのがいい。女の子はあぁいう本は開かない、きっとね。


リメイクに対する評価は賛否両論ありそうだけど、私はこの作品好きだよ。
ファンが大勢いる作品を、新たに作り直そうとした監督の心意気はもちろん、オリジナルの良いところはオマージュ的に作り上げてる。木にレイプされるところとか、地下室が悪魔の巣窟とかね。


前に「死霊のはらわた」レビューの中で、「こういう映画はリア充がいたぶられているのを、ギーク共がけらけら笑うために作られたもんだ」というような内容の言葉を書いた。青春真っ盛りの男女がいたぶられている姿を見るのは、ある種の快楽に近いものがあるんだ。美男美女が自分には似つかない、リア充が自分とは違う生きものだと思うことで、自分事には置き換えられないから。(ある種別次元の出来事って捉えちゃう)


今回の作品はいろんなタイプの人間が出てくるけど、リア充っぽいのはいたぶられて死んでいく。
呪いの書を解いてしまった男子は最後まで頑張ってた。リア充じゃなくて、ギークが頑張る演出は憎い。笑


そしてCGをあまり使わずに撮影されたのがすごく良かった。
CGってわかりすぎる演出は最高に興奮するか、最高に萎えるかなんだよね。
こういうスプラッター系に於いてはCGでゴテゴテに演出するんじゃない方が良い。
「あ、CG!」ってわかった瞬間に目が覚めて、今まで目にしてきた恐怖が一瞬にして虚構に代わるから。

そういう意味で、最後の血の雨シーンなんかはにやにやしちゃう。
オリジナルに負けない、血の無駄遣いだからね。
あぁいうところで監督の気概を感じる。楽しんでやろうっていう。
オリジナル版へのリスペクトでいうと、血の大量消費だけじゃなくてさっきも言った木のレイプシーンやら森の中のカメラワークやらがある。


オリジナル版を知っていて見ると、さらに楽しめる。
腐りはじめると緑色の液体が体内から出てくる古い特殊メイクもいいけれど、
鮮血の真っ赤な血の雨もそれはそれでよい。


死霊のはらわた
EVIL DEAD
2013
フェデ・アルバレス