プレステージ

偉大なるマジックは偉大なる犠牲のもとに。



あらすじ
***
19世紀末のロンドン。二人の天才マジシャン、華麗なパフォーマンスを得意とする“グレート・ダントン”ことロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)と、卓越した想像力を持つ“THE プロフェッサー”ことアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)は、お互いを尊敬するライバル同士。

彼らは情熱のすべてを注いで、イリュージョンの腕を競い合っていた。しかしある日、アンジャーの愛妻であり助手のジュリア(パイパー・ペラーボ)が、脱出マジックの失敗で死亡してしまう。トリック中にほどけるはずだった縄を結んだのはボーデンだった。

アンジャーは妻を死に導いたボーデンに復讐を誓った。まもなくボーデンはサラ(レベッカ・ホール)と出会い結婚。アンジャーのもとには助手志願の美しい娘オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)が現れるが、彼の怒りは癒されなかった。

やがてアンジャーは、ボーデンが開発した瞬間移動のトリックを探るべく、オリヴィアをスパイに使って、トリックの手掛かりをつかむ。どうやら、天才科学者ニコラ・テスラ(デイヴィッド・ボウイ)の開発した電気技術が大きく関与しているらしい。

アンジャーはテスラに瞬間移動装置の制作を依頼し、舞台上演を開始する。その上演中にアンジャーは、舞台で壮絶な溺死に至ってしまう。翌日、アンジャー殺しの犯人として逮捕されたのは、ライバルの死を目の当たりにしたボーデンだった。


目撃者として証言台に立ったのは、マジックの考案者でアンジャーの協力者だったカッター(マイケル・ケイン)。実はその死の公開ショーは、ボーデンへの復讐を果たすためにアンジャーが仕掛けたトリックであった。

***

絢爛豪華なトリック対決かと思いきや、ミステリーでした。映画の雰囲気は常に灰色。ライバル同士の彼らは、互いを敵視し、人生を掛けてつぶしあいをしようとする。つぶしあい、だましあい、さぐりあい。



最後のオチには閉口してしまったが、冒頭にその伏線はある。
魔術師たるもの人生そのものが魔術であるらしい。


しかし、何より驚いたのが19世紀の動物マジックは生半可な覚悟ではできないような血を見るトリックだったのだということである。


途中からちょっとサイエンスなのかオカルトなのかわからぬ展開にびっくりしたが、「人が人生掛けて仕事するってこういうこと・・・」と理解することにした。



スカーレット・ヨハンソン、貴女はいつみてもお綺麗で。


クリストファー・ノーラン
プレステージ
2006