未来への診断書-水俣病と原田正純の50年-

2011.3.4-6 アース・ビジョン
第19回地球環境映像祭
3月4日


あらすじ
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常に現場に足を運び、患者の声に耳を傾けながら水俣病を研究してきた精神神経科医・原田正純さん。

世界の水銀汚染の現場も調査してきた彼は今、「水俣病は終わっていない」と語る。

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映像祭、行ってきました。第19回になるこの映像際は世界各地から”環境”をテーマにした映像を集め、審査することで埋もれた優秀な作品を広く世界にお披露目する祭りです。


”映像祭”と括っているのは、テレビ局が作ったテレビ番組(ドキュメンタリーなど)も含まれているから。この水俣病のドキュメンタリーも、熊本のローカルテレビ局が製作したものです。


水俣病患者と何十年も向き合ってきた医師だからこそ、この公害問題の終結に疑問を感じている姿が印象的でした。法によって国、企業、被害者の問題解決は終わりではなく、いまだに苦しみ続けている人はたくさん居る。だからこそ、歴史の一ページとしてではなく、今現在進行形で進んでいる話でもある。


小学校のときにならった四大公害病、そのうちの一つであり、今はもう終わった”歴史”だと思っていた自分が恥ずかしい。今も苦しむ人々がいて、でも”元気”で過ごしたいと思う純粋な思いすらなかなか世間の人には届かない。こうして”苦しむ””かわいそう”といった同情は得つつもなかなかその理解は深まらない。そこが当人たちの”苦しみ”なのではないだろうか。




未来への診断書-水俣病原田正純の50年-
公開:2010
監督:安松 直朗
2011.3.4-6 アース・ビジョン 第19回地球環境映像祭