サベイランス

surveillance[sərvéiləns | səː-]
[名][U]
①【法律】監視,監督,検視的監査,サーベイランス
②【法律】査察,捜査


あらすじ
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FBI捜査官のエリザベスとサムは、サンタ・フェの田舎町で起こっている凶悪な連続殺人事件の捜査に乗り出す。

殺人現場に居合わせたという3人の目撃者が保護されている地方警察に出向いた二人は、事情聴取を開始。だが、同僚を目の前で殺され、自らも傷を負った警察官ジャック、コカイン中毒のボビー、そして家族を目の前で惨殺された8歳の少女ステファニーの話はそれぞれ食い違っていた。


さらに謎が深まる不可解な惨殺事件。そんな中、エイザベスとサムは3人の証言から驚くべき真実を突き止める……。

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ストライク。久しぶりにニヤニヤ///


”殺人事件に居合わせた3人の証言が食い違っていくさまをフラッシュバック映像でつなぎ合わせていく構成は、巨匠・黒澤明の名作『羅生門』(50)のよう。そこに父デビッド譲りの残酷な描写や悪夢のような世界観を加え、不条理な“リンチ流”にアレンジしている。”


製作総指揮はデヴィッド・リンチ、監督は娘のジェニファー・リンチ。世界一カルトな親子って触れ込みなんだが、彼らの作品を見たことがないのでなんともいえない・・・(汗)とにかく、これが私の”リンチ作品”デビューになったわけだ。






この映画のタイトルが「サベイランス」である理由はこうだ。

主人公であるエリザベスとサムの取り調べ方法が、監視。生存した目撃者3人をカメラを設置してある部屋にそれぞれ入れ、警官をあてがう。即席のモニタールームではサムがその部屋の様子をチェック(監視)する。これが話の軸であり土台でありタイトルの理由。


フラッシュバックの映像、証言、目撃者の挙動・・・「で、犯人はいつ出てくるんだ。もしかして出てこないのか。この目撃者の中にいるのか?」・・・映画を観ていると中盤ぐらいからこんなことを考え始める。この画面に映し出されるのは、FBI捜査官、目撃者3人、地元警察署の警官や関係者だけなのだから。


しかしながら、映画の序盤から観客に対する心理作戦が始まっていたとは!劇中で真の犯人が、自分の犯行を語り始めるシーンでは「こいつは犯人ではないだろう」と思ってしまう、この幻想。思い込みって怖い!って思わせてくれるシナリオ展開。


この監督の味なんだろうけど、血の描写、死の描写、丁寧だよねぇ。大好き、ゾクゾクする(´ω`)それに、久しぶりに吐き気覚えたなぁ。この感覚って割と大事。痙攣したり、Vomitしたり、狂人の笑みに不快感覚えた表情とかさ。(実際は血とか傷口の膿んだのとかニガテ)


安定したストーリー展開、なのに最後に気持ちよく裏切れるカンジ。気持ち悪いほどリアルな物質描写と判りやすい人々の心理描写。



何が一番いいって、こう、ゾクゾクする感覚と騙された感覚。



サベイランス
原題:surveillance
公開:2009
監督:ジェニファー・リンチ


映画評抜粋 from Walker Plus(Movie Walker)
http://news.walkerplus.com/2009/1227/11/