グッドナイト&グッドラック

最後までジョージ・クルーニーが映画の準主演俳優で出てるのに気がつかなかった。そして調べたら彼が監督として指揮してたとか。


あらすじ
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1950年代の冷戦下のアメリカ。


ジョセフ・マッカーシー上院議員が中心になって推し進める赤狩りが吹き荒れるなか、法的な手続きを無視して「共産主義者」の排除を推し進めようとするだけでなく、自分の意にそぐわないものを「共産主義者」と決めつけ攻撃するマッカーシーの手法に対して疑問をもつ良識的なアメリカ人も多かったが、誰もが自分自身が標的にされることを恐れ、マッカーシーの手法を表面だって批判する者はいなかった。


しかしそのような風潮の中で、エドワード・R・マローとそのスタッフ達は、マロー自らがホストを務める「See it Now」の番組中で、ミシガン州空軍予備役のマイロ・ラドゥロヴィッチ中尉が、「父親と妹が共産主義者だという内部告発があった」というだけの理由で、空軍からの除隊勧告を受けたことに対し異議を申し立てる。


自由な報道すらままならない状況下に置かれていたが、ジャーナリストとしてあるべき姿を追い求めるマローらは、真実を報道することを決意する。

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全編白黒仕立て。重厚な感じで仕上がっている。そしてなにより、主演男優であるデヴィッド・ストラザーンが渋い、そしてダンディ。


映画あれだけ通してみて、残ってるのがダンディな俳優のイメージだけとかどれだけやん笑


テレビ局の会長と口論しているところがよかったなぁ。特に会長の一言。「これまで報道内容に口出ししたことは一切ない!〜〜〜」・・・・台詞が記憶からフェードアウトしている。なんていうか、その、社の抱えるジャーナリストたちを信頼しているというか、経営とジャーナリズムが乖離されているっていうか、会話からそいういう印象を受けて素晴らしい会長じゃないですか。と思った次第です。・・・でもその会長が外の圧力に負けてマローたちに口出ししてくるんだけどさ。





この映画を見てて、至極当たり前に自分たちの仕事をする人たちがいることに驚いた。普通、風当たりとか考えたりとかこれからの自分らの身の上とか考えながら仕事ってするもんじゃないのか?って思っていた。報道することで自分の立場がどうなるかなど考えず、巨大な権力に立ち向かおうとするのは巨大メディアだからこそできたことなのか?否。たぶん、そういうことじゃないんだよね。なんていうか、実際にこういう人たちがその時代に実在したことって、その当時のアメリカ国民にとって大きかったんじゃないかな。そしてマロー氏のような立派な人物が実在したという事実に驚きを隠せない。


影で引き摺り下ろされる計画が立てられようが、あちこちから叩かれようが、自分の考え守り抜いて行動しちゃうところが「さすがだな」って思うよね。




till then, good night & good luck.
あの締めの台詞は、マロー氏のダンディズムに拍車をかける。




原題:Good Night, and Good Luck.
公開:2005
監督:ジョージ・クルーにー