十三人の刺客

「木曽の猿は骨太よのぉ」

「主に従うが武士の定めなら、夫に付き従うが妻の役目(ピュシュン)」


( ゚д゚ )


冒頭の切腹シーン、シグルイおもいだす。

あらすじ
***
幕府の権力をわが物にするため、罪なき民衆に不条理な殺りくを繰り返す暴君・松平斉韶を暗殺するため、島田新左衛門の下に13人の刺客が集結する。

斉韶のもとには新左衛門のかつての同門・鬼頭半兵衛ら総勢300人超の武士が鉄壁の布陣を敷いていたが、新左衛門には秘策があった。

***

脇脇脇脇!!!斬りまくる!!
殺陣がしっかりしてて良かった。
急所は脇!わかってらっしゃる!!
脇を斬る!!首を切る!頚動脈!!


今も余韻に浸ってます。楽しかった〜(^ω^)

斉韶の「今日が人生で一番楽しかった」の一言、最高◎
私も殿の喜ぶ姿が一番面白かったですわ。


役所さんの演技に惹かれつつ、たまに稲垣君の台詞読みが気になったり、伊勢谷くんの山男ぶりが浮いているなぁと思いつつ、武士ってなんだったんだろうとか当時の男女のありようとか考えながら映画観ちゃった。


最近読んだ漫画と設定が似ているため、とても勉強になりました。頭にも入ってきやすかった。参勤交代のこととか、殿に付き従う家来の立ち位置とかね。


この映画は島田率いる13人の刺客が、明石藩主松平斉韶(暴君)を討つのが大きな柱で、というかそれがゴール。どれだけ島田が当時の君主に仕える武士として特異だったのかというのが、御目付け役である鬼頭の存在によって彼らから見ていかに奇であるか語っていたように思う。奇ではないかもしれないけど、主のためではなく万人のためという大義を引っさげている事自体が稀だったんだと思う。


「武士というものは主に仕え、その命を懸けて主を守るもの」という鬼頭の存在と「天が万人のため」に忠を誓う島田はどっちが正しくて悪いとかじゃなくて、どちらも己が信念のため・正義のために動いていたと思うとゾクゾクワクワク。結局、武士っていうか侍ってという存在は、己が信念のために全てを懸ける者であるという個人的な帰結。


映画を観ながら「武士」ってなんだろうと考えてました。使える主または信念・忠義を守るのが武士/男であり、武士/男を支え、家を守るのが女であるとするならば、女の腐ったのって言うのは守るものがない者だったり守りを怠る奴なのだとかいろいろ考えたわけです。よく「女が腐ったような」っていう表現があっていつも「???」だったんだけど、やっと今日曲がりなりにもわかってスッキリ笑 自分の中で「侍」ってなんだとか、「武士」ってなんだとか日本的な男女ってどういうことだと思ったらこういうことか、と。



暴君・斉韶そのものも凄い面白い人だね。もちろん第三者視点だからこんなこといえるんだけど笑もうやりたい放題、好き放題。大層なご身分。頭鷲づかみにして、四肢切り落として、抱いて、捨てて、首刎ねて、弓で射る。ここまで残虐な人間いていいの?「木曽の猿は骨太よのぉ」無表情で全てをこなす姿は背筋が凍る。でも、こういう自分のしたいことに何の疑いもなく実行してしまう人には本当に惹かれる、もっと知りたくなる。知的好奇心を掻き立てられる(笑)で、調べたら史実とは別の設定らしく、当の斉韶よりも斉宣のほうが暴君だったらしい。ふーん。しかしやってることは非道ですね、本当。苦笑



しかしながら女性出てくるのが本当少なくてびっくりした。出てきてもあんまりいい役どころではないなw吹石さんとか好きなのにあんな出され方は正直ハテナ。伊勢君の演じた山の民の想いが、そちらに傾倒しているという見せ方だとしても、正直なぁ〜という感じ。だったら山田孝之の嫁さん役にさせてあげてよ(´・ω・`)とか思った。*ごめんなさい。吹石さんは山田クンのお嫁さん役もやっていました。



先ほども述べたが殺陣かっこよかった。時代劇を真面目に見るのはこれが初めてだから、ほぼ全てのベースがこれになるだろうなぁ。殿が落合宿に来た後の仕掛けが発動しててんやわんやの騒ぎになるのがこの映画の見所だったと思うのだけど、松方さんの殺陣するとどうしても昼間の時代劇思い浮かべちゃって(´ω`)プフフ 敵斬りかかる時に脇や頚動脈に切りかかるその姿みながら惚れ惚れ。そして刺客が生き残ることなく血を滴らせ目を曇らせ敵に切りかかる姿は、かっこよかったなぁ。あぁなぜ男に生まれなかった自分。外国の方がサムライにあこがれる気持ちが少しわかった気がする。(彼らが侍に対する考えがどうであれ)



それにしても鉄漿・眉落としの強烈なこと笑
どれだけ美人でもあれをしたら、生まれ持った美貌が台無しになると思ってしまう。




十三人の刺客
公開:2010
監督:三池崇史