ウェイヴ

ドイツ製作の映画。
Made in German=ワクワク
テーマ「独裁政治in the class」=ワクワク×2


あのドイツで独裁だよ?
なんていうワクワク相乗効果。



あらすじ
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自由な雰囲気で生徒に慕われるベンガー(ユルゲン・フォーゲル)は、校長の要請で独裁制の授業を担当することに。

あまりやる気のない生徒に、「発言するときは挙手して立つ」など独裁制の実験を取り入れようと提案。


しかし、ベンガーの予想を超え、独裁制に魅了された生徒たちは、学校外でも過激な活動をするようになり……。
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実話をベースに作られた映画で、アメリカが実話の舞台だけど、映画ではあえてドイツに置き換えて作られている。「現代ではもう独裁政治が起こらないといえるか?」というベンガーの問いかけ。これが映画の根本。



ベンガーの教師である前に人間として誰かの上に立つことにある種快感を覚えてしまう姿や、盲目的に教師であり統率者であるリーダー・ベンガーを支持し、彼らの帰属意識を「ウェイヴ」と名付けた彼らのベンガークラスに強く求める姿が、傍から見ればかなり異常に映る。


そして一部の過激な行動、クラスだけでなく校内中の生徒に「ウェイヴ」の仲間となることを求めること、逆に逆らうものは徹底的に排除しようとする動き・・・団結力、仲間意識が強くなる中でウェイヴ&ベンガー崇拝、そして異を唱えるものに対しての攻撃。典型的な独裁スタイルが確立され始める。


そしてウェイヴメンバーの行動がやがて社会問題にまで発展したとき、ベンガーが生徒に問う「現代ではもう独裁政治が起こらないといえるか?」そして「否、これがその姿である」という答え。その後に待っているラストシーン。



最後のラストがあまりにも衝撃的で、その時飲んでいたお味噌汁を噴出しそうになった。しかしながら、たいへん面白く見させていただきました。


この映画の根本にあるのは、資本主義世界でタブー視されている『独裁政治』が「現代ではもう独裁政治が起こらないといえるか?」というところにあるんだよ。独裁制を敷くということが良い悪いはともかく、それ自体はとても世界が狭くなる考え方であるとこの映画を見て個人的に感じました。



ドイツで興行成績1位を獲得し、サンダンス映画祭コンペティション部門正式出展作品。


どうでも良い話だが、蔦谷で最近よく手にするのがサンダンス映画祭絡みのものが多いことに気がついた。サンダンス映画祭は個人的に要チェックイベントになりそうだなぁ。




ウェイヴ
原題:DIE WELLE/THE WAVE
公開:2008年
監督:デニス・ガンゼル