サイコ

ヒッチコックの作品。
この後に作られたのが「鳥」という作品。


粗筋
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地方都市に住むマリオンとサムは昼間から情事にふけっている。結婚をねだるマリオンに、サムは経済的な理由をつけて応じない。

その後出勤したマリオンは仕事で大金を預かり、出来心から横領する。逃避行の末、とあるモーテルにたどり着いた彼女は若き経営者ノーマンと会話を重ねるうち、自首を決意する。

独りになりシャワーを浴びるマリオンに、突然侵入してきた影が襲いかかった。
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クライムサスペンスの映画。主人公マリオンの逃亡中の心理描写が細かく描かれてる。しかしながら、ストーリー中盤でマリオンが死んでしまう。主人公が死んでしまうんだよ!!それでも話がすすむの。信じられない。そして軸は行方知れずになったマリオン探しになり、最終的にどう決着がつくかわからない話の展開になる。



シナリオを言えば、マリオンはノーマンの母に殺され、その後を追ってきた私立探偵も同じく殺されてしまう。けど、その重要なノーマンの母親の姿は一度もきちんと映されない。これだけ重要人物だというのに!!しかし、その理由は映画を最後まで見れば判明する。二人を殺した犯人である母親は「ノーマンの中に生きる母親」だったのだ。これはつまり、生きているノーマンの母親はこの世には居ないということ。事実、彼女は10年前にノーマンに殺されたわけで、しかしながらノーマンにとっての母親の存在があまりにも大きかったためにノーマン自身が心に母親を宿らせてしまったっていう二重人格者になっちゃったっていう結末。


カラー慣れしてるけど、モノクロが雰囲気醸しててよかった。初め、マリオンが横領した後に警官に付けられたり中古車買ったりいろいろオドオドしながら「この人これからどういう展開に陥ってくのだろう」と楽しみにしていたら、まさかまさかで殺されちゃうし、いい人なんだけどどこか歪みのあるノーマンがのぞき窓とか作ってて「フフ、君もやっぱりオトコだねぇ」なんて思ってたらまさかのノーマンが・・・おいおいおいお・・という感じで話が終結しちゃうし。ストーリーに振り回された感で一杯(^ω^)


「丁寧な映画」ってスタンスが今までよくわかんなかったけど、この映画見てこういう映画とか演出が丁寧って言うんだろうなと思った。でも、いまだ良くその「丁寧」がつかめてないけどネ:-P



古い映画だから若干しらけるんだろうなと思ったけど、今充分見ても楽しめる。万葉集源氏物語のようにいくら古かったとしても、やはりいいものは半永続的に後世に残っていくものなのだなと感じました。



サイコ
原題:PSYCHO
公開:1960年
監督:アルフレッド・ヒッチコック