ヒッチコックの「鳥」
カラスやカモメが舞い飛び、人々を襲う映画。
羽の舞い散るのにくしゃみが思わず出ちゃいそう。


あらすじ
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ある日、何の理由もなしに、鳥たちが人間を襲い始めた……。

たった一つのシチュエーションをもとにあらゆる恐怖を引き出した、ヒッチコックのサスペンス・ドラマの傑作。

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サスペンス(wikipedia)
サスペンス(英語 : suspense ) は、ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、またそのような心理状態が続く様を描いた作品をいう。シリアス、スリラー、ホラー(サイコホラー)、アクションものといった物語の中で重要な位置を占める。


ヒッチコックってサスペンスの巨匠って言われてて、今までテレビとかで「鳥」の一部シーンだけ見たことがあったのでとても気になってたんだよね。それで今回借りてきてみた。


オールドデイズの香り漂う映画だったなー、こういうのスキ。CGとかぎこちないこの感じもイイ。例えば、メラニーがボデガ湾に向かう途中の鳥の描写が可愛いかった。鳥かごの中の鳥が作り物なんだけど、カーブ曲がったりすると遠心力で鳥が傾くっていう描写が可愛くてキュンとした。笑 



理由もなしに鳥が人間を襲うって言う設定がイイよねー。鳥嫌いのヒッチコックが監督やったから余計に細かいところが描けてる気がする。気がするだけ。原作の小説だと、鳥は厳冬で食糧難だから人間を襲う設定らしいけどね。でも映画じゃ原因や理由のわからないことになってる。原因のわからないものほど怖いものはないよね。


しかしあれだけのカラスやカモメをジャングルジムに止まらせたり、電線に止まらせるのは当時最先端のCG技術かなぁ。あれだけ群れると何もしなくても怖い。子供の頃、夕暮れ時の高圧電線に沢山とまってるスズメやムクドリの群れに恐怖心を抱いたのを思い出す。それに、ボデガ湾近郊に住む人たちが鳥の襲撃の恐怖に慄いた末、外から来たメラニーに「you are the evil」とか言われる辺りとか保守的な街の感じもイイね。自分も割りとハトなんで親近感感じる。笑


この映画が出来た背景としては「サイコ」で注目を集め、次の作品作りのネタ探しに奔走したらしく、実際に起こった事件を基にしたダフネ・D・モーリアの短編『鳥』を購入し、国中で野生の鳥が人間を襲う事件が起こっていると知ったヒッチコックは、今作に劇場用映画としての可能性を見出したという話。


「世界は破滅だ!」
「鳥が人間を襲うはずが無い」
「事実起こってるのよ」
あのバーはいろんなタイプの人間が居ていいね。「世界は破滅だ」としか呟かないおっさんがいい味出してます。





原題:the Birds
公開:1963年
監督:アルフレッド・ヒッチコック