ハワイ・マレー沖海戦

太平洋戦争時に海軍省からの命令で東宝映画が作成した日本のプロパガンダ映画。

ナチのプロパガンダやDisney製作のプロパガンダアニメはみたことありますが、日本のは初めてでなんだか新鮮でした。




とりあえず、あらすじをどうぞ。
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物語の主軸となるのは海軍のパイロットを目指す予科練の生活の詳細である。平凡な少年友田義一が海軍精神を注入され、また厳しい訓練を耐え抜いて、晴れてパイロットとして搭乗するまでに物語の大半が費やされている。



後半は真珠湾攻撃に至るまでの航空母艦内の生活が詳細に描かれ、特撮を用いた攻撃シーンが場面を盛り上げる。最後は、仏印基地から発進した攻撃機プリンス・オブ・ウェールズを撃沈し、大本営が米英軍との戦闘状態突入を発表するまでを描く。
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"1941年12月8日の真珠湾攻撃および12月10日のマレー沖海戦の大勝利を描き、国威称揚させることを目的として、海戦の翌年に開戦一周年記念映画として1942年(昭和17年)12月8日に公開された。"


そういう映画です。
海軍が気合入れて作った映画だよ。でも海軍に検閲きちっとされたっぽい。戦時中は検閲とかあったのか・・・まぁあたりまえか。


この映画、実は霞ヶ浦に近い訓練所での訓練を設定しているもののようで、映像の中に筑波山が見える。筑波山が見えるところに住む人間としてはちょっと嬉しい(笑)また、ロケ地として広島県江田島も使われているらしい。江田島は世界的にも有名な海軍学校がある場所で、おととし行ってきたけど面白いところだったよ。そのあと暴力事件でニュースになってたときはびっくりしたけど。



撮影所だけでなく、当時の貴重な零式艦上戦闘機が動いている映像も見れます。 垂涎もの(´ω`)それに精密な戦艦や真珠湾のセットを作った円谷氏の特撮技術がすごい。どれぐらいすごいかって言うと、GHQも本物と信じて疑わなかったぐらいすごい(笑)素晴らしくしっかりとしたセットだし、技術の高さが伺える。この映画が東宝映画の基礎となったとかならないとか。


また、劇中の教官と兵のやり取りも面白い。「お前たちが迎撃する艦隊を覚えなさい」と、敵軍艦・母艦のシルエットを見せて名前を答えさせるゲームがあるんだけど、あれは楽しそうだったな。



この映画は途中ピリリとしまった空気もありつつ、逆に仲間や教官と和気藹藹なシーンもありつつ・・・私がもしこの時代にこの映画を見ていたらこの映画の影響で入隊する人間になりそう(笑)それに、この映画には内地も逼迫した様子もまだない感じがした。たぶんまだ戦況傾いてないときだったのかな。




軍歌の挿入の仕方、軍機の見せ方がいいよね。プロパガンダってこうじゃなきゃ(´ω`)映画最後に流れるマーチもまた気分が高揚するようなものでした。




当時の人はこの映画を見て動思ったのだろうか。 当時の映画批評雑誌を見てみたいね、あればの話だけど。笑



ハワイ・マレー沖海戦
公開:1942
監督:山本嘉次郎