SAW

2004年公開の映画。

「この映画のスクリプト(脚本)が好きな人は精神が病んでいるわ」


劇中に登場する役者がインタビューでこんなこと言ってた。笑
いや、まさにそのとおりだと思うよ。実際私は当時この映画を見て、これに勝るスクリプトは無いって思ってた。実際にはそのあといろいろ映画を見てて優れたスクリプトはSAWだけではないと知ったけど。笑


この映画はホラーやスプラッタ系映画かと思ったら、スリラー映画と分類されるらしい。先日見た「羊たちの沈黙」や「セブン」もこれに該当。なるほど、言われてみれば近いかも。ちなみに、スリラー映画のwiki的定義は”観客の緊張感や不安感を煽ることを狙いの一つにしているような映画”らしい。


いやぁ、でもこの映画を母親と一緒に映画館で見たときは衝撃だったよね。笑
グロテスクなシーンもあるから目をふさぎがちだったのに、ラストの衝撃といったら唖然騒然完璧置いてけぼり食らったw


そのあとSAW信者(笑)となり、mixiの日記で超お薦めしていたら「人の命を軽んじているこんな映画のどこが良いんだ!」と知り合いと大喧嘩。「お前は何にもわかっちゃいねぇ、私が褒めているのはスクリプトだ。人殺しの部分ではない!」と結局「殺人」を含んだ脚本褒めてんじゃないのか?というようなめちゃくちゃな反論した覚えがある。笑


あぁ、でもSAW信者(笑)って書くと命の大切さを知らせるために人を監禁し殺すか殺されるかの試練を与えるジグソウを称えてる風に見えるかな。自分は本当にスクリプトが好きすぎてSAWが大好きだっただけです、はい。ジグソウ信者ではない。アマンダみたいにね。


「人の命を軽んじている映画」ってそしたら人殺しの出てくる映画なんて何も見れないじゃないですか・・・そうやって反論しとけばよかった(違

みんなでなかよくディズニーでも見てろって?
あの映画だって白雪姫や眠りの森の美女、アラジンでは悪者ぶっ倒してんじゃん。悪だったら何でも誰でも倒して良いって?殺して良いって?どのアニメだって暴力は描かれとるんじゃ。確かに殺人は道徳的倫理的にいけないことだが、映画の世界にまでそれを言及するんだったら、そういうこと言う奴は何も見るな。ドラゴンボールすらアウトだろ。


うあ、感情的になっちゃった。ごめんなさい。反省。。。
でも言いたかった事でもある。


てことで映画の以下粗筋載せます。
うろ覚えだったのでwikiから転載。

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目が覚めると、部屋の中央には死体。対角線上には足を鎖で繋がれた2人の男、ゴードンとアダム。犯人が突如として始めたゲーム。


「君たちは死につつある」「6時までに相手を殺すか、自分が死ぬか」。



与えられたのは、ジグソウからのメッセージが入ったカセットテープレコーダー、一発の弾、タバコ2本、着信用携帯電話、2本のノコギリ。2人は犯人が部屋に残したヒントを手掛かりに脱出しようとするが……。


一方、謎の猟奇殺人鬼「ジグソウ」を追っていたタップ刑事とその相棒・シン。異様な殺人現場に残された手がかりをもとに、2人はジグソウを追い詰める。そして、犯人は意外な人物だった。


回想と謎解きを交えながら驚愕の結末を迎える作品。
***

いまだにあの戦慄は蘇るね。
久しぶりに公式HP行ってトレーラー見たがゾワゾワしてきた。



この映画、スプラッタだと勘違いされたり、ホラーといわれたり、サスペンスだといわれたり、本当はスリラーだったり・・・いろいろな言われ方してますが、たぶんどれも正解◎笑

SAWの映画を遊園地の遊具に例えるとまるでジェットコースター。映画の始まりから、レールをゴトゴト昇っている時と同じようなワクワク感を体験できる。沢山の急降下、そしてまたゴトゴトあがる。最後の最後は旋回しながらの急降下。終わったあとは「また乗りたい!」と思うよ、きっとw



映画祭では「CUBE+セブン」のような映画だと称賛されたらしい。CUBEを見たことが無いのでなんとも言いがたいが、こんな映画初めて。

上記のあらすじは本当に粗い内容しかかれてないが、アダムとゴードンを閉じ込めた犯人ジグソウは連続殺人犯として指名手配されている。ただ、「連続殺人犯」といわれているが実際に彼が手を下した犯行事例が無いんですよ。


決まっているのはどの被害者も監禁され、一定のルールの下で脱出ができる。ただしそれが肉体的精神的痛みを伴うもので、どの被害者もジグソウ的視点から「生きることを軽んじ、その大切さを解ってない」人たちが選ばれる。被害者は放火魔にドラッグ中毒者。観客から見ても「確かにジグソウ一理ある」と思わせる人選がされている。


SAW2でも出てくるアマンダという女性はドラッグ中毒でジグソウに監禁される。他の被害者は死亡したにもかかわらず、彼女はジグソウのゲーム生還すんだよ。まぁそれが良かったのか悪かったのか、アマンダはジグソウ信者になっちゃうんだが・・・




ここでアマンダの”ゲーム”がストーリーの中では結構時間割かれて描かれているのでちょっと書いてみる。



彼女のゲームは頭蓋骨粉砕機を頭にセットされた状態で始まる。彼女の傍らには「?」が書かれた服を着た男。椅子に座らされているアマンダは、目覚めた後にジグソウの用意したビデオで見、恐怖を覚える。


彼女に残された生還の道は一つ。ハテナ男の腹を切り裂き臓物の中から粉砕機解除の鍵をとること、それだけ。



近くに落ちているナイフを手に彼女は男に近づくんだけど、またその男の人が生きているんですよ。麻酔漬けにされているため声も出せず痛みも感じない体にされたハテナ男。生きることに必死なアマンダは、ハテナ男の命と引き換えにジグソウのゲームから生還。




こうしてアマンダの生還により発覚する「ジグソウ」という人物と過去の犯罪の因果関係。映画ではアダム&ゴードンの話と、アマンダや過去の事件の回想、事件を追う刑事たちの動向が交互に出てくる。



アダムとゴードンはどうして選ばれたのか?今までのジグソウの被害者は「生きることを軽んじている」人間であった。普通に考えて、ありえない人選であるカメラマンのアダムと外科医のゴードンが選ばれた本当の理由は?


二人が監禁された部屋にあるテープレコーダー、のこぎり、監視カメラ、近くの自殺体・・・二人の会話から繋がる二人の関係性。そして「SAW」という言葉に秘められた多くの要素。鑑賞後に「?!?!?!」「あぁ怖かった」「でもなんだかわからないがすごく面白かった」と、初めての美味しい体験だった笑





巧みなジグソウのゲームにいつしか観てる側も巻き込まれる。
展開が読めないし、読んでいてもことごとく外れる。笑
アダム・ゴードンだけでなく、事件を追う二人の刑事もまたいいんだよね。
味があるっていうか、映画のゾクゾク感を引き立てるシーンを作ってくれてる。




SAWは「これでもかっ!」っていうぐらい、べた褒めするぐらいお気に入りの映画なんだけど、SAW2からはくだらない映画になってしまって残念。つまり普通のスプラッタ映画に近いものになってる。正直痛みなどを疑似体験したかのような怖さだけの映画だった。



SAWはこのジェームス・ワンとリー・ワネル両氏が指揮を執ったこの作品だけで良いよ、うん。


冬に見るのをお薦めする。寒い日に独りでいるのが怖くなるよ。笑