ガタカ

ガタカ


ガタカ、それは未来の話。
ガタカ、それは宇宙につながる場所。
出産に遺伝子操作が当たり前で、適合者・不適合者で人間が差別される時代。


不適合者とはすなわち「神の御意思」に沿って生まれてきた人間。
遺伝子欠陥があるものを不適合者と呼ぶ。

適合者とはすなわち「理想な人間」として生まれてきた人間。
遺伝子操作により優れた知能、能力、外見をもつものを適合者と呼ぶ。

そんな社会の下でヴィンセントのストーリーが始まる。




不適合者である主人公ヴィンセントは、物心ついた頃から宇宙に興味を持ち始めて宇宙飛行士になることを夢見る。
もちろん、不適合者の彼にとって宇宙飛行士になるということは、周囲から見て到底ありえないことであった訳である。


不適合者は宇宙飛行士などの高等な職業につくことは出来ない。
そのため、ヴィンセントは自分を不適合者から適合者に帰る必要があった。
そんな折にDNAブローカーの仲介で出会ったのがジェローム・モロである。
この人物は適合者に生まれながら事故にあって半身不随となっていた。


こうして二者は出会い、不適合者ヴィンセントは適合者ジェローム・モロになりきることで、宇宙飛行士の切符を手にした。


しかし!


ガタカと呼ばれる宇宙局内で怒った殺人事件現場にヴィンセントの睫毛があったことから、事態は一変する。
宇宙への出発を数日に控え、しかしながらヴィンセントが不適合者とバレれば宇宙への切符はなくなる。
ヴィンセントの素性を疑うアイリーンとの掛け合いもありつつ、ヴィンセントとジェロームの本当の事実が暴かれそうになる中で自分自身と向き合うヴィンセント。


ヴィンセントは結果、宇宙へ行くことが出来る。



不可能を可能に変えていくヴィンセント。
彼は不適合者として、普通の人間として描かれている。
しかし、「不可能」といわれていることを「可能」にしていく過程を、ヴィンセント兄弟の競い合いや自分自身を鍛えるといった場面で描いている。彼の夢をかなえるための努力や覚悟、意思などが場面の端々でよく伝わってきた。


対するジェロームも、最初はヴィンセントを見下すも彼の覚悟や意思を見る次第に絆というか仲が深まっていくようだった。
最後まで彼はヴィンセントに賭けたし、支えた。「体を貸した代わりに君からは夢を貰ったよ」という台詞が記憶に残る。


地球を後にするヴィンセント。
そのときジェロームはどうするのか。
悲しいラストではないのに何処か空しくて、でも本当は空しいラストではなく希望に満ちたというか・・・ある意味ハッピーエンドだったんだろうな。


ガタカ
公開:1997年
監督:アンドリュー・ニコル