セブン

ブラッド・ピットモーガン・フリーマン主演のハリウッド映画。
映画のタイトルはキリスト教の「7つの大罪」から。

赴任してきたばかりのミルズ刑事(ブラッド・ピッド)と退任が近いサマセット刑事(モーガン・フリーマン)が連続殺人を追っていく話。

連続殺人は人間誰しもが抱える欲求であったり、驕りの部分が罪となる7つの大罪
この7つの大罪に基づいた犯行が行われ、犯人はこの大罪を犯しているものに裁きを加えるかのごとく犯行を実行していく。


映画は月曜日から始まる1週間で話が進められていって、日曜日以外は全部雨。映画全体が暗くて埃っぽいイメージ。それで、日曜日は安息日だとキリスト教では教えるが、この映画で安息日はない。
日曜日がこの映画のクライマックスがくるから。休めるどころの騒ぎじゃない。


七つの大罪とは、
「暴食」
「強欲」
「怠惰」
「色欲」
「高慢(傲慢)」
「嫉妬」
「憤怒」
をあらわす。この大罪はダンテの「神曲」などにも書かれていて劇中にもその件は登場する。キリスト教のことがわからなくて話半分になるのか?と思いきやキリスト教初心者でも十分理解できる映画の流れになっている。

ちなみに自分の大学はプロテスタントで、キリスト教の教義的な部分を少し習うがもっとも素人であるためキリスト教についてはわからないことのほうが多い。7つの大罪も映画を観るまで知らなかったけど、それなりの劇中での説明ですんなり観れた。


ちなみに大罪のそれぞれに対象になる悪魔が割り振られている。ルシファという悪魔は「高慢・傲慢」を司っている。このルシファという名前、ディズニーアニメーションの「シンデレラ」に出てくる継母が飼っている猫の名前だったりする。とても傲慢な猫でめっちゃ憎たらしい奴なんだよ、これが。



話は戻り、映画自体はインパクトが強い。殺害現場の生々しさ、そして犯人の周到な殺害計画、そして綿密な計画殺人が次第に見え始める。ストーリー序盤で「七つの大罪」にそっての犯行だということがわかる。それがわかるのに、次の展開どうやって殺人が起こるのかが二人の刑事同様わからない。

一番解らなかったのは、「嫉妬」そして「憤怒」に大して起こる殺人だった。え、どうなるのどうなるの?と思いながらの迎えた安息日。晴れた空の下走る車。2人の刑事に待っていたのは耐え難い結末だったはず。


最終的に彼は勝つ。
そして彼は負ける。


切ない気分になんかならない映画だと思ったけど、見終わった後に一抹の切なさというかやりきれない気持ちで一杯になった映画だったなぁ。やりきれないなぁ、あのラストは。


セブン
公開:1996年
監督:デヴィッド・フィンチャー