FREEDOM

自由を求める若者の話




this is love/宇多田ヒカル


あらすじ
***
月面世界「エデン」で暮らすタケル。
学生を終え、社会人としての配属待つ彼があることきっかけにして地球から届いた写真を手に取る。

滅んだとされていた地球への憧れを捨てきれない彼は、仲間と共に地球へ行こうという野望を立てる。


地球は本当に滅んだのか。
月と地球と、その両側に住む若者たちの話。
***

1年前?2年前にCMとかで大々的に流れてた記憶があります。
yahoo動画での定期的な配信がありましたが、
私自身それを楽しみにしていた多くの人間のうちの一人でした。

期待を加速させるオープニング。
ロマン感じるエデンの世界。
人間のアニメーションはぎこちなかったけど、
それでも月とか宇宙とかに憧れを感じている人間にとっては
充分な世界観でした。

それに、聞けば「地球は先の大戦における核戦争で文明は衰退し、人間ですら滅んでいる」らしいじゃないですか。


でも主人公タケルは、人口都市エデンに住む老人から
地球の話を聞きつつ、とある出来事をきっかけに
宇宙に浮かぶ青い惑星を目にして感動し、
それ以上に月面で拾った少女の写真とその手紙に興奮を覚え
地球を目指すこととなって・・・


ロマン、って私が口にすると
雰囲気が崩れるんだけど、
でも「ロマンは追いかけるもの」であり
とても格好良いものであると再認識しました。


タケルは一途に自分の思いを貫く男で
とてもアツイ。彼の破天荒な決断と行動は見所一杯。
でも、いつも彼の側にいる親友のビスの成長が、
一番の見所だと思う。
へなちょこの男の子が、
一人前の男になっていくところが。


彼はいわゆる”普通”の男の子で、
金魚のフンのようにタケルにくっついているけど
ストーリーの最後の最後では
彼なりの行動に出て、決断を下す。
そこが堪らなく格好良い。


タケルのように最初から最後まで
自分の考えや行動に疑いがなくて、
一途で
それでいて挫折もなく、
周囲の助けによって(或いは周囲を巻き込んで)
最後まで成功するタイプのキャラは
物語を力強くひっぱっていく上で
大切なキャラクター(性格)ではあるけど
私にとっては飾りのようなもんです。


例えれば、激しい雨のような存在かもしれない。
激しい雨によって、葉は垂れ下がり、
動物たちは身を潜めて雨が過ぎるのを待っていたりする。
母なる雨とはいえど、その通り過ぎる瞬間は
特に人間にとってはひたすら待つ時間でもある。



だけど、そうした彼の存在は
ほかの生き物(草や動物ら)に、
生きる活力を与える。
むしろ激しい雨も、
受け入れてしまえば
とても気持ちが良かったりもする。



タケルは激しく打ち付ける雨であって、
その他の人物は彼に間接的・直接的に
影響を受けて成長していく。
若者であれ、老人であれ、
男であれ、女であれ。
成長のスピードは人それぞれだが、
確実にしっかりと。




そうした彼の影響を受けながら
少しずつ成長を遂げる
周りの”普通”の人間が、
”ここぞの時”に
どういう決断を下し、
どういう行動に移るのか。
彼らの集大成を見せるその姿は
どのようなものであるのか。



ストーリーを通して、
そういう人の心の動きを見るのが
楽しいアニメでした。




宇多田ヒカル
"This is Love"を使用したOPも
私の中ではクリーンヒット。
もう最高です。大好き!



「人は地に足つけなきゃ生きてはいけない」
月にも住んでみたいけど、
それはフィクションの世界でお腹一杯。

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