100,000年後の安全
10万年後の世界はどんな世界なのかなぁ〜もふもふ
作品概要
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原子力発電所などから排出される放射性廃棄物。
無害になるまで10万年はかかるといわれるそれらをその間、地下に埋めて管理しようと、フィンランドに建設中の放射性廃棄物最終処分場“オンカロ”。
地中深くにある施設にカメラがはじめて足を踏み入れたドキュメンタリー。
いまも排出され続ける放射性廃棄物と地球の安全を問う。
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核廃棄物が環境に無害になるまでにかかる年月
=10万年
絶句するほどの想像に苦しむ時間の流れ。
例えば今から10万年前は、
原始人が槍もってマンモス追いかけてた時代。
人間の生活環境も、地球の自然環境もかけ離れすぎている時代。
”豊か”な生活の代償として、核廃棄物を生産する人間。
『10万年間、核廃棄物の地中施設が
何の障害やトラブルなしに過ごすには
どうすべきだろう??』
と、北欧フィンランドの人々が
とってもマジメに考えているようすを
ドキュメンタリーで収めたのがこの作品。
オンカロの建設現場の映像を交えながら
オンカロに携わる人間の脳みその中を
インタビュー交えながら纏めた79分の映画。
映画を鑑賞していると、「本当にこの人たちはマジメにこの発言をしているんだ」という気付きを得るんだけど、そこからインタビュー回答が滑稽に見え始める。
廃棄物処理施設は、100年後に許容量上限を迎える予定。
その後は入り口の封鎖をし、10万年の眠りにつく。
まるで「眠り姫」のような世界。
突然の来訪者である王子のキスによって姫が目を覚ますあのファンタジーとは違い、このリアル「眠り姫」は突然の来訪者なんて言語道断。
そんな施設に眠る核廃棄物を、人間などの施設への危害を与える存在から守るために人々の知恵比べが行われている。(自然環境変化による施設危害は、その土地の特性上考慮されていないらしい。)
われわれの後世へその施設のことや土地への立ち入りの制限について、
そしてその施設や土地へ侵入することで、起こりえる危険の周知などを
”どのように”周知させるべきか。
こんなことを、それを偉い人がまじめに考えている。
それだけ重要なことだからね。
プルトニウムだって核爆弾の材料になりえるし、
これが何かの拍子で地中に漏れ出したら環境破壊にもなりえる。
だからこそ、真面目に考えているんだけれども・・・
例えば、10年後、100年後、1000年後と時間を経れば経るほど文明や文化様式、もしかしたら言語の変化も可能性としてありうる。
そしてもしかしてもしかしたら、人類が一度滅んだ後にまた人類が生まれるかもしれない・・・そんなところまで予想した上で、あれこれ考えている。
後世への”正しい”伝え方なんて存在し得ない。
でも、伝えていかなければいけない。
映画の中では、人間の好奇心に対する対策として情報公開を限って一部の政府関係者や施設関係者のみが繋いでいくという情報限定型と、広く国民に知らしめ、敷地にも目立つような看板・標識などを設置するという情報公開型に意見が分かれてた。
観ていくうちに、「どーせこんなことで頭悩ますなら原発なんて最初からやらなければいいじゃん。」と、本気で思いました。なんかもうリアルで怒っていることが御伽噺の世界のようで・・・それぐらい可笑しい。
もしかしたら10万年後という表現は、過剰な言い方かもしれない。
だけど、今時分たちが教授している”豊か”な生活が
そうした課題を背負ったモノに支えられていると改めて認識したとき、
なんていう脆いシステムの上に成り立つ世の中なんだ・・・
と、思わざるを得なかった。
なんて自己中心的なんだ、われわれ人間は。
100,000年後の安全
原題:Into Eternity
製作年:2009年
監督:マイケル・マドセン
http://movie.walkerplus.com/mv48046/
第20回地球環境映像祭
http://www.earth-vision.jp/14-03mainfestival-j.htm