カウントダウン・ゼロ

何も知らないままで、この映画が観たい人は読まないでください。



今回、うちの大学の国際平和研究所ってところがパラマウント・ジャパンの特別協力を経て特別試写会を開いたので参加してきました。




公開は来春。
東京国際映画祭 特別招待作品

あらすじ
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不都合な真実』のスタッフが再び警告する、今そこにある地球の危機。迫りくる核の脅威を描いた衝撃のドキュメンタリー。ゼロになるのは<核>か、それとも<人類>か。

「戦争兵器は廃絶されなければならない、我々人類が兵器によって滅亡させられる前に」ジョン・F・ケネディ大統領。2009年4月5日、オバマ大統領はプラハ演説で「核なき世界を目指す」構想を明らかにした。


しかし、世界中で進行している実態は、核兵器保有国は9か国に拡大、40か国以上が核兵器開発の技術を持っている。さらに、テロリストは大量破壊兵器としての核を求め続け、人為的な過失による偶発的事故の可能性も日増しに高まっている。核兵器の身近に迫る背筋も凍る実態が、ゴルバチョフ、カーター元大統領、ブレア元首相や元CIA工作員、様々な識者の発言と重なりながら、明らかになる。

そして人々は願う、ゼロへ。

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なんていうか、○○○ー映画なんだよなぁ。苦笑


ワクワクして観に行ったが、「映画、『不都合な真実』を製作したスタッフが贈る・・」とか言われてワクワクが半減。映画を見て激減。


核問題について取り扱った映画です。核問題といっても、核兵器オンリー。パラマウント・ジャパンの広報の人いわく「被爆国日本、特に被爆者視点のコメント、映像、解説などは一切無しなので我が国で宣伝するのにネガティブ・ポイントになるのではないかと懸念」してたとこのこと。それに言及しないことに関してはいろいろ意見もあるが、それはとりあえずのところ置いておく。


今の世代が改めて核兵器問題に関して考えるためのきっかけとしては充分だと思うが、なんといっても「核兵器は今すぐ無くそう。だってテロリストにわったったらタイヘンだもの!」っていう訴えが、とにかく凄いサブリミナル的な(笑


原子力っていうエネルギーに関する問題の中の一つのトピックとして核兵器があり、原子力発電があり・・という感覚なので、核兵器は危険だ!と強く訴えるこの作品を「偏ってんなぁ」と思いつつ映画観てました。まぁでもテーマが「核兵器根絶しましょう。核(兵器)の無い世界を!」みたいなものなので、テーマに沿って作品が作られているかどうかだけを観たらかなり良いんじゃないのかな?(それでも偏ってると思うけど)



核兵器の原料、特にプルトニウムは闇ルートで流通していて、原子爆弾なんかは作り方も簡単。さぁこれでテロリストに渡ったら?という感じ。全編通して。この映画で広島・長崎の被爆者についてとか被爆について特に言及しなかったのはテーマに則してないからじゃないのかなぁ。映画の中では「核兵器を使用する」ことはこの世界で「今」はありえないことの認識として、各方面の著名人がコメントする。そして使うとしたら「悪」の立場の人間たちしかいないだろうという流れ〜だから、そこで広島・長崎の原爆の人々のコメントなど入れたら映画として訴えたいことが逸れちゃうんじゃないかな〜と思ったり。



核兵器問題、原子力問題、テロ・・・それぞれのトピックに関して考えるきっかけ、知るきっかけにはよい映画といえるだろう。ただ、観てる人にはその先も考えて欲しいよね・・・切実に。核で言えば、軍事利用が悪、人を傷つけるのが悪、人々の生活を守るのが善、人々の役にたつことが善、だとしたらいろいろ矛盾が起こるよなぁ(苦笑


映画を見た後に友達とあーだこーだ話し合ったのは言うまでも無い。お互いこの映画に関しては「う〜ん・・(苦笑」で会話がスタート(笑)でも「きっかけ」にはいい映画だよ。なんでもきっかけは大事。(ただ、きっかけで知った情報が正しいとか全てだとか思っちゃう人はあんまり観て欲しくないかも。)


それよりもなによりも、映画の上映前後にあった物理学者で慶應義塾大学教授でもある小沼氏によるレクチャーと質疑応答がとてもよかった。てか先生の話をもっと聞かせてほしかったw









こういう映画を製作するに当たって、絶対裏で何かが噛んでるよなぁ、と思っちゃったり。
(単にそう考えるのが好きなだけ。笑)






ホムペ
http://www.to-zero.jp/






カウントダウン・ゼロ
原題:Countdown to Zero
公開:2011
監督: ルーシー・ウォーカー